はじめに
外国人が日本で仕事をするには適切なビザが必要です。
現在、ビザの種類は大きく分けて28種もあります。
その中でも、会社に正社員として勤務する場合、
多くの外国人が取得している「技術・人文知識・国際業務」
ビザについて説明します。
技術・人文知識・国際業務ビザとは
主にホワイトカラー向けの仕事ビザで、
大学や専門学校等で学んだ分野の専門性を生かして、
その分野に関連する仕事に就くことが求められます。
そのため、採用する際には外国人本人の学歴や職歴が重要で、
このポイントを外して採用しても結局ビザが取得できずに
内定を取り消さざるを得ない、といった事態に陥ります。
とても長い名前のビザなので専門家は実務上
「技人国（ギジンコク）」と略して呼んでいますが、
実は「技術」「人文知識」「国際業務」の3つのビザに
分解することができます。
まず「技術」は、いわゆる理系の分野に属する技術や
知識を必要とする業務です。
次に「人文知識」は、文系の分野に属する知識を必要
とする業務です。
そして最後に「国際業務」は、外国人特有の文化に
基盤を有する思考や感受性を必要とする業務となります。
具体的な職種例
技術
エンジニア、プログラマー、設計、技術開発
人文知識
経理、営業、コンサルティング、マーケティング、法務
国際業務
翻訳、通訳、海外取引、貿易
以上、具体例を挙げましたがあくまでも一例です。
そのほかにも外国人の学歴によっては様々な業務に
就くことができます。
要件
技術、人文知識
ビザを取得する外国人が次のいずれかを満たす必要があります。
- 日本または海外で大学等を卒業した者
- 日本の専門学校を卒業して、専門士の称号を付与された者
- 10年以上の実務経験を有する者
いずれも実際に従事する仕事と関連した学歴または実務経験
であることが求められます。
例えばプログラミングを勉強した外国人は、プログラマーとして
就職し技人国ビザを取得することが可能ですが、プログラミング
の知識を必要としない経理や営業といった仕事に就くことはできません。
この学歴と仕事の関連性は、大学卒業者は比較的緩やかに判断されますが、
専門学校卒業者の場合はより厳格に判断されます。
そのため、大学卒業者のほうがビザを取得しやすい、
と考えてもらって良いと思います。
国際業務
ビザを取得する外国人が次のいずれも満たす必要があります。
- 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝または海外取引業務、
服飾もしくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに
類似する業務に従事する者 - 従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の
実務経験を有する者。
※なお、大学を卒業した者が、翻訳、通訳または語学の指導に
係る業務に従事する場合は実務経験が不要となります。
つまり、大学や短期大学卒業者であれば、翻訳、通訳業務に
就くことができます。
この場合、大学等で語学を専攻している必要はありませんが、
翻訳や通訳の能力を証明する上では有利に判断されます。
共通
そのほか、日本人の報酬と同等額以上の報酬であることが必要です。
外国人という理由で同職務に就く日本人従業員よりも安い給料で雇うことは、
ビザの不許可理由にもあたりますのでご注意ください。
